ワーキングメモリが少ない子と学校の溝
私はADHDがあり義務教育期間は苦しい思いをして過ごしてきましたが、私の子供達も障害にはひっかかりませんでしたがマイペースなため、少なからず苦労している所があるようで。。
息子は幼稚園では何の問題もなく過ごしてきましたが、学校に入ると先生から問題点をちょくちょく指摘されるようになりました。こちらとしては、ガツンと先生から指導して下さい、家庭でも毎日様子を聞いて話し合い対処していきますと伝えたのだけれど、あまりに先生が苦戦しているようだったので市の相談センターに相談して見る事にしました。
相談センターで分かったのは、息子はワーキングメモリが平均より少し少ないという事でした。
ワーキングメモリとは
心のメモ。
短い時間に心の中で情報を保持し、同時に処理する能力のこと。
会話、読み書き、計算などの基礎となる日常生活や学習を支える重要な能力。
創造性のある思考をする時にも重要な役割をはたす
- 脳のワーキングメモリがうまく働かないと学校では何が問題か
ワーキングメモリが少ないタイプは生活に多々支障が出ます。例えば、おつりの計算が出来ないなど、少し前の事を覚えているのがすごく苦手な為、会話も気づくと内容を理解していないなんて事がしばしばあります。集団行動で苦戦する場面が多いかもしれません。
ワーキングメモリがうまく使えていないと、先生のお話を聞きながら何かをするのがすごく苦手なため、「これとこれを持って音楽室に行ってください。」などの指示があった時、自分はいたって真剣に聞いていたつもりでも訳が分からなくなってしまいます。持ち物に注意が行っているとどこに移動するのか分からなくなってしまうのです。私自身は自己防衛で、分からないけどわかっている態度が出来るようになってしまっていたため、先生に反抗的な態度をとるやっかいな子として扱われました。
先生の話を聞きながらノートを書くというのも苦手なので、もはやまわりと足並みを揃えるというのがとても難しくなってきます。そういう子に対して先生は、個別に指導しなくてはいけなくなってきます。その子のレベルに合わせた言葉で「持ち物はこれ。これを持って二時間目は音楽室に行ってね。」というふうに。
先生もやる事はたくさんありますし、貴重な時間をそこばかりに使うわけにもいきません。だんだんその子は置き去りになり、理解出来ない授業が行われている時はただ椅子に座り妄想にふける、立ち歩いて自分の興味がある方向に関心がむいてしまうといった傾向があるように思えます。
そこで先生は、自分の話、授業に興味が向かない子は放置し、時間が許すときや目にあまった時に、がーーーっと怒る、注意をするといった行動に出る事があります。私自信、出来ない事を一生懸命やろうとしているのに出来ないといった葛藤の中で生きていましたから、まとめて怒られるという大人の行動にとても傷つき失望してきました。
その「出来ない」という事実だけをすくって家庭に連絡がくると、当然その子は親からもどうしてみんなと同じ事ができないんだ!!と怒られるわけです。どこかで大人が溝を埋めてあげないと、負のスパイラルに発展してしまいます。
- ワーキングメモリが少ない人は覚えるのが苦手なのではなく「注意の移動」が苦手
注意の移動が苦手とは、覚えていなくもいい対象に注意が向けられていたりする状態だそう。確かにそうかもしれません。
最近実際にあった出来事ですが、子供に学校に大根を300グラム持っていかなきゃいけないと大騒ぎされた事がありまして、何が問題だったかというと前日の夜中、もうスーパーが閉まっている時間だったわけです。親はパニックです。。自己責任だ、自分でなんとかしろという訳にもいかず、持っていかないとグループ全員に迷惑がかかるので遠くの24時間スーパーに買いに行って朝には用意しました。学校から帰ってきて、大丈夫だったかと聞くと、「必要なのは今日じゃなかった」と衝撃の一言‥!だいこん、300グラム必要というワードばかりに頭がいってしまったため、いつ必要かという事まで覚えられなかったのでしょう‥。
- 親、大人がとるべき対応
こういったマイペースな子に対して、私も絶賛悩み中なので的確なアドバイスは出来ないかもしれませんが、見守りつつ落ちてきたら下から支えてあげる感覚が一番なのかなと思います。本人なりにうまく集団でやっていこうと努力している所は絶対にあるはず。すぐにワーキングメモリを鍛えて明日には結果が出るというものではないので、長く何年もかかるものとしてゆったりと認知し、フォローしてあげる事が大切だと思います。大人が投げ出したら終わりです。あまり手を出して助けすぎてしまうと、出来ない事を出来るようになろうという努力をしなくなってしまいますので、あくまで一歩引いた所で手を離さないようにしてあげるというのが良いのかな‥と。
そういった考えのもと、長い目で成長を見守りたいと子育てをしているのですが、現実からは学校から沢山の連絡がくるわけです。皆と同じ事が出来ないと。(主に忘れ物ですが)
学校で集団行動がうまく取れず苦労してきた私が子供にアドバイスしている事は、
- ちょっとした事、その場で覚えていられると思った事もメモにとる
- とったメモは同じ場所にいれるという習慣をつける
- ワードの関連付け、イメージを持って記憶をする癖をつける
もっとも、うちの子供達は学校から駄目だしをくらってもそこまで悩んだりしてなさそうですが。。
ポジティブでいてくれるというのが一番私にとっては嬉しい事です!
出来ないよりは、出来た方が良いわけで、出来ない事で自尊心が低くなってしまうのはもったいないといつも思います。苦手な分野でこそ努力が必要なのだと感じます。
でも、すぐに生まれ変わったように出来るようになるわけじゃない。
長い目で、信じてあげることこそが子供の成長につながるのかもしれませんね。
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