写真と趣味の日々をつづる。

なんでもない日々の趣味ブログです

接客業を辞める決心をした理由。

私は子供相手の接客業をしています。対人恐怖症、協調性、社会性無しというやっかいな状態からのスタートでした。なんで接客業にしたかというと、家の近所で時間的に都合が良く、大好きな写真絡みのお仕事だったから。

 

いざ仕事を初めてみると、体力的にハードだし、覚える事も非常に多く、対ひとなのでクレームなども直に自分に返ってきます。最初のうちは対人恐怖を抱えている自分には耐えきれない仕事だと何回も辞めようと思いました。でも、沢山の人間を客観的に観察出来る場というのはそうないので沢山の社会勉強をさせていただきました。トークひとつでグレードアップして高い商品にしてくれたり、全て真実を伝えるのではなく、やんわりと相手が不快に思わないように伝えたりする事でクレームにならず満足して帰っていただけたりと、人間って、多少こちらからの言い回しでコントロールする事が出来るんだという事を学びました。反対に考えると自分もコントロールされている場面もあるって事ですよね。そう考えると少し怖いな。

 

来店されるおきゃくさまは、なんとなくですが何種類かの傾向に別れ、このタイプにはこう言ったほうが良いのだな、とか、もっと砕けたトークで突っ込んだりした方が良いタイプかな、とか、自分で模索しながらやれた事は大きな経験となりました。人の壁を超えるには、人と接するしか無いということですかね。私は最初何も分からなかったので、何から何まで細部を説明しすぎてしまっていました。沢山の商品が棚に並びすぎていると人はかえってベストなものを選べなくなってしまうそうですが、言葉も厳選し、選択肢を与えすぎない事で迷いすぎて分からなくなってしまうというストレスを軽減させる事が出来る事を学びました。

私の周りの先輩スタッフはドライなようで、やりがいを感じ、責任感も強く、お客様に笑顔でお帰りいただきたい!と、ある程度情熱を持って仕事をこなしている方が多いと感じました。私はそんなスタッフの気持ちの部分にも助けられました。みんながつらいとブーブー文句を言いながらも楽しそうに仕事をしているので(休憩もとれないほど忙しい)お店のためにも、お店を任されている社員さん達の為にも微力ながらも力をつくして頑張りたいと思いました。働いている側も、来店されたお客様も笑顔でいられる為に、自分の力を注ぐ事がとても幸せに思えたのです。

 

仕事を始めてから何年かすると、お仕事は出来るしやるべき事は淡々とこなしていかれる上司がこられました。頭の回転もよく、さくさくと物事を進ませていくので、スムーズになんでも進むようになりました。スタッフもそれに順応し、そういった環境になっていきました。おきゃくさまの心にはあまり踏み込まず、マニュアルをただこなしていく環境に私は始めた頃に感じていた情熱というか、エネルギーを感じる事が出来なくなり、ただ、なんでこんなきつい仕事をしているんだろう、朝から作り笑顔をし、淡々と技術だけで仕事をこなし、流していく‥。仕事上がっていいですよ、の言葉を待ち続けるだけの時間。かつて感じていた大変だけれど、頑張りたい、学びたいという気持ちがどこかに行ってしまいました。

 

こういったもんもんとした状態がしばらく続き、「はやくこなして流して」のオーダーに何も考える事を辞め収入のために過ごしてきましたが、ある時を境に、仕事はこれだけじゃない、環境を変える勇気を持つべきでは、と考えるようになりました。

長く続けた仕事を辞めるのはとても勇気がいる事だと思います。覚えた事、技術、全て放棄する事になるので‥。社内で資格も取っているので、それも迷いになりましたが、心が空虚になってしまった感覚が続くのが良い事だとは思えず一歩踏み出し環境を変えるのがベストな選択になるのではと思いました。

 

新年から、新しい方向に向かって探求していきたいと思っております。まだまだ知らない世界を学んで行きたい。